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江口文陽学長にインタビュー!
東京農業大学が描く“食の未来”とは?

2025.6.23
江口文陽学長にインタビュー! <br>東京農業大学が描く“食の未来”とは?

“人物を畑に還す”という建学の理念の下、文化を継承し、農を牽引する人材を世界へ。その先に豊かな未来が広がっている。

東京農業大学 理事長・学長
江口文陽(えぐち ふみお)さん
博士(林学)。東京農業大学大学院博士後期課程修了。研究テーマはきのこの機能や生産など。東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科長などを経て2021年より現職。2023年7月には東京農業大学理事長に就任。

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「食と農を通して人間の豊かさを追究していきます」

6学部23学科を擁する東京農業大学は、国内最大の農学系総合大学として、総合農学を牽引する教育・研究を推進している。
「衣食住のすべてにかかわる農学は、私たちの暮らしに最も密接した総合科学であり、あらゆるものの礎となる実学分野です。本学が掲げる総合農学は、山頂から海洋に至るまでのフィールドで展開されるすべてを学ぶこと。人が生まれてから死ぬまでの日々の暮らしを豊かにする総合農学を追究し、その魅力を世界に発信することが本学の使命だと考えています」

教育・研究の理念は、理論と実践を重視する実学主義。
「実学は、習得した知識や技術を社会生活に役立てるという意味だけでなく、自身が『なぜ』と感じたことを科学的、論理的に追究し、課題を解決する探究的な学びも表します。本学には、既成概念にとらわれない自由な校風の中、素直な心をもって主体的に学び、物事の本質を見極める感性を育むための環境が整っています」

拠点となるのは3つのキャンパスに加え、日本各地に設置された多彩なフィールド。亜寒帯から亜熱帯までを網羅する幅広さは東京農業大学ならではの特長といえる。
「近年は『農ある風景のキャンパスづくり』も進めています。農学を学ぶ学生には五感を通したフィールド感覚が必要です。農を身近に感じ、親しむことで五感を養い、机上だけでなく自然からも学びを得てほしいと思っています」

2023年にオープンした国際センター前の芝生を田んぼにする計画をしている

育てた人材を地域に還元することを表す建学の理念“人物を畑に還す”が物語るように、地域とのかかわりも深い。食を核として、地域の活性化や関係人口の創出などを目指す「東京農大ガストロノミー」もそのひとつ。

「日本には郷土色豊かな食文化があります。農の産物である食材が地域、家庭でどのように料理となり、文化となるのか。農と食、食と文化とのつながりを探究し、地域や人とのかかわりを通して磨いたコミュニケーション力で、その魅力を国内外に発信する人材を育成します。そうして日本の食文化を継承しながら新たな食文化を生み出し、日本の農が世界に広がっていくことを期待しています」

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<本記事の問い合わせ先>
企画広報課
Tel|03-5477-2650
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text: Miyu Narita photo: Atsushi Yamahira

2025年6月号「人生100年時代、食を考える。」

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